広瀬 淡窓 ひろせ たんそう
   

休道他郷多苦心
同袍有友自相親
柴扉暁出霜如雪
君汲川流我拾薪
(い)うを休(や)めよ 他郷苦心多しと
同袍(どうほう)友有り 自から相親しむ
柴扉暁に出づんば霜雪の如し
君は川流(せんりゅう)を汲め 我は薪を拾わん  
桂林荘雑詠示諸生(冬)   我が塾に学ぶものへ告ぐ
家を出て異国での修行の辛さを愚痴ってはいけない
志を同じくする友達と 互いに親しみなさい
早朝に起きて扉を開ければ 霜は雪のごとく
寒風が身にしみるだろうが 決してくじけてはいけない
さて君は川に水をくんでくれ 私は山に薪を拾うよと
自炊に、学問にと励まし合うことだ
24p×106.5p

天明2年(1782)生〜安政3年(1856)歿
 江戸時代の儒学者で、漢詩人、教育者。豊後国日田の人。淡窓は号。本名は建。字は子基。敬天の説を主として、諸学を総合し、塾舎咸宜園を建て、門生の中から多方面に人材を輩出した。
 署名はなく、白文の「廣瀬簡印」、同じく白文の「廉卿氏」の落款印が押されている。

推奨サイト
http://iris.hita.net/~city/tanok/tanatcl.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E7%80%AC%E6%B7%A1%E7%AA%93
http://ww61.tiki.ne.jp/~hamazono/sigin/tansou.htm
http://www.page.sannet.ne.jp/ytsubu/hita.htm
http://www.geocities.jp/sybrma/82hirosetansou.kanshi.html
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%B9%AD%C0%A5%C3%B8%C1%EB/detail.html?LINK=1&kind=epedia
http://fine-vn.com/cat_40/ent_80.html
http://www.city.oshu.iwate.jp/syuzou01/jinsei/jishou/hito3.html
http://www.h4.dion.ne.jp/~kono/sub2.htm
http://www.e-obs.com/heo/heodata/n608.htm
http://wkp.fresheye.com/wikipedia/%E5%BA%83%E7%80%AC%E6%B7%A1%E7%AA%93

咸宜園
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%D2%F9%B5%B9%B1%E0/detail.html?LINK=1&kind=epedia
http://iris.hita.net/~city/arc/h15/kanf/h15kangi.pdf
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%B8%E5%AE%9C%E5%9C%92
http://www.ajkj.jp/ajkj/oita/hita/kanko/kangien/kangien.html
http://www.washimo.jp/Trip/Hina-Hida/kangien.htm
http://www.page.sannet.ne.jp/ytsubu/hita.htm

桂林荘雑詠示諸生 (桂林荘雑詠諸生に示す)
 淡窓が私塾桂林荘で学ぶ塾生に示して、彼らを励ました作。塾生たちが甘えを退けつつ、互いに励まし、いたわり合ってゆくようにという淡窓の姿勢がうたわれる。「同袍」には、学問に志して遠方の地からやってきた者同士のいたわりの思いがこめられている。桂林荘を囲む自然の厳しさは、塾における生活と学問の厳しさをも語っているとみることができるが、それとともに、友と学ぶ喜びもまた、この詩句の底に流れる感情の一つであるに違いない。
桂林荘雑詠諸生に示すは、四首の連作からなっており、第一首が熟の冬、第二首が故郷の秋、第三首が熟の春、第四首が春の構成になっている。


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